トレーナーへの道のり〜その9:入職6,7年目〜

query_builder 2021/04/24
トレーナー活動記録
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 「トレーナーへの道のり〜その8:入職4,5年目〜」の続きとなります。トレーナとして自分がしたい仕事・すべき仕事がなんとなくわかってきて、自分が成長するためにとにかく仕事に打ち込んだ時期です。

6年目

 この時点で定期的にトレーナー活動をさせていただいているチームは、高校硬式野球部、地域の新体操チーム、冬季競技のナショナルチームの3チームでした。ポイントで活動させていただていたチームは高校陸上競技部、県の冬季競技Jr.アスリート育成事業の2チームでした。

 入職6年目はこの他に、県の国体に向けたJr.アスリート育成事業とある夏季競技のナショナルチームでの活動も行なわせていただくようになりました。

 国体に向けた事業は、数年後に私の暮らす県で開催される国体に向けて、活躍できる選手を育成するという目的のプロジェクトで、立ち上げ時からお声掛けをいただいて、関われせていただくことになりました。

 私は現在でも主に身体能力育成プログラムを担当させていただいております。

 夏季競技のナショナルチームの活動は、国際大会時にトレーナーとして帯同させていただくことがメインとなります。

 このチームに関わらせていただくことになったのは、ある選手との出会いからです。その選手から多くのことを学ばせていただきました。

 いずれそのことについてもお書きできればとおもいます。

世界選手権、W杯

 夏季競技では世界選手権でカナダへ、冬季競技ではW杯でアメリカ、カナダへ帯同する機会をいただきました。

 競技としても初めて生で観させていただくものでしたので、選手のコンディションサポートも重要でしたが、大会の流れやチームの動きを把握する必要がありました。

 幸い、ターゲット選手の数が限られており、そういったことを把握する余裕が少しありました。

 ナショナルチームといえど、限られた予算の中で活動する必要があります。ですから大会に揃えられるスタッフの数も十分とは言えません。私はトレーナーですが、仕事としては選手のメンテナンスだけしてればいいと言いわけではありませんでした。

 レースが始まれば、レースに必要なサポート(例えばタイム差を測ったり、給水を手伝ったりです)をさせていただきました。

 スタッフが少ないゆえに、自然とチームの流れに入ることができていたように思います。

 サポートしている夏季競技は、ヨーロッパ勢が強い種目です。サポートするにあたり動画等でその競技を観ていましたが、実際に自分の目でみて、その競技の迫力や強い選手の動きに圧倒されました。

 日本では無類の強さを誇る選手ですら、世界の中では厳しい戦いを強いられていることがわかりました。

 世界との差を肌で感じることとなりました。

 また、その差を感じることの重要性に気が付きました。
 日本の選手が世界との差を埋めて、戦えるようになるためにはカラダとしてなにが必要なのか考える材料が出来たからです。

 この時代、動画などで手軽にレベルの高いスポーツを観ることが出来ます。ですが、実際に観る情報はその何十倍も価値があると思います。

 それは、情報に感情が乗るからだと思います。客観的に分析するだけでしたら映像でも事足りるのかもしれません。

 うまく伝えられないのですが、雰囲気や迫力、レースの熱量など様々な情報と共に選手をみると、私自身の感覚といいますか、センサーみたいなものの反応が変わるのです。動画を観て感じていたことがよりクリアになるといいますか・・・

 表現が難しいですが、より生きた情報になって自分に届くような感覚です。

 とにかく、とても収穫の多い帯同となりました。
 

 一方、冬季競技のW杯はとても反省することが多い帯同となりました。(反省も重要な収穫です)
 一番反省したことは、選手のコンディションをあげるために、その場の状態にしか目が行っておらず、レースに向けてコンディションを作っていくサポートが出来ていなかったことです。

 その場の状態しかみれていないと、どんどん自分を追い詰めることになります。
 
 本来であれば、選手や監督・コーチ・スタッフとレースに向けてコンディションをどうあげていくか連携を取りつつ、プランを立てて、そのプランに対して現状がどうであるかを把握していく必要があります。

 ですが、プランが曖昧、現状把握が曖昧では、次に起こることが予測できません。もちろん、予測が100%当たるわけではないのですが、次のことを考えておくという準備をすることは重要です。

 今の自分でもそれが十分にできるかわかりませんが、当時は全くそれが出来ていなかったと反省します。

 追い詰められた私は、チームに対しても気を回す余裕がなくなり、とてもサポートと言える働きにはなっていなかったと思います。(選手に気を使ってもらったくらいです。)

 その場の選手の状態に一生懸命に対応することも重要ですが、それだけでは選手を十分サポートしていると言えません。

 余裕がなくなったのは自分の力不足です。先を見たコンディションプラン作成に必要な思考や、現状を正確に把握するために必要な技術が足りませんでした。

 自分に足りないものを自覚した時は、成長のチャンスです。

 私は器用な人間でないことを自覚しています。そんな私にできることはひとつひとつ課題を解決することだけです。

 W杯前から上記のような事態にならないように普段から心がけていました。結果、この有様です。単に心がけることは意味がないと思いました。

 まずは、より具体的なことから解決すべきと思いました。

 「技術」です。

 トレーナー活動以外の場、例えば病院業務中でもこれを意識するようになりました。ただ、自信のない技術や練習中の技術を実際に患者様や選手に試すわけにはいきません。

 スタッフや家族のカラダを借りて練習し、使えるようになったものを実際に導入するように気をつけました。

 その当時の技術と今の技術を比べると、自信を持って今と言えます。

 それでいいのだと思いますし、そうあるべきと思います。私がその時に技術の大切さに気が付いたからこそ、今そう言えるのです。

 これからもそれを重要視していけば、技術はよくなると思います。(余談ですが、技術は向上し続けるのでしょうか・・・いつか止まってしまうのではと不安に思います。)

 正直、トラウマレベルの反省なのですが、それでも反省した理由を分析して次に繋げることが、結果的にサポートさせてもらうチームや選手にとって力になれると思います。

 そう思うと、どんなに嫌な思い出も目を向ける価値がありますね。嫌ですけど。笑

7年目

 今でもですが・・・新型コロナウイルスの影響を受けた年です。

 海外での試合はもちろんのこと、国内の試合や合宿もなかなか難しい状況となりました。東京オリンピックも1年延期となりました。

 日本で初めて緊急事態宣言が出されました。この時期は、チームの活動もストップし、病院のスポーツ外来受診者も大幅に減少しました。

 入職して初めてと言っていいくらい時間にゆとりがありました。落ち着いて休める時間もだいぶ少なくなっていたので、ゆっくり休んでもよかったのでしょうが、6年目に痛感した課題のこともあり、結局をそれを解決することを優先しました。

 何度も登場していただいている医師と週に2回はお互いのカラダを使って技術の検証をしました。

 また、あらたなことにも挑戦致しました。動画作成です。話題のYouTuberになるため、ではないですが、サポートしている高校や地域のチームの選手にできることを考えて挑戦を決めました。

 選手たちもなかなか外出できず、練習も集まってできない状況でしたので、家でできて体力を維持するメニューを動画として提供しようと思ったのです。

 動画撮影のために自分もメニューをこなしたのですが、これは外出自粛時の運動不足改善にもなりました。笑

 当時、妊娠していた妻にも、妊婦さん用のメニューを考えて一緒にやってもらいました。トレーニングや運動は一人より誰かとやったほうが頑張れますので・・・

 少しずつ、世の中が新型コロナウイルスの扱いがわかり始めてくると、徐々にスポーツ活動も再開されました。

 選手やチーム、スポーツに関われることの嬉しさ、ありがたさ、そういったものを実感できました。

 緊急事態宣言下で取り組んだことがどれほど力になれたのかわかりませんが、動画を作らせてもらったチームからは、感謝や今でも自主練習でやっていますというお言葉をいただきました。

 技術の方はまだわかりませんが、ナショナルチームでは重要なレースに向けてコンディションのサポートを任せてくれる選手が増えたと思います。

 チームの一員として、チームとともに目標に向かって、それを達成するために試行錯誤して、できれば結果としてそれが実ることは、私の中でとてもやりがいのあることと改めて思います。

 そのためには、「本当の意味で力になる」ことが絶対条件と思っています。

これから

 長々とトレーナーへの道のりを振り返らせていただきました。
 今は、トレーナーとしてどういう仕事がしたいか、すべきか方向性が見えてきました。トレーナーへの道のりに終わりがあるのかはわかりませんが、とにかくこれからも歩いてみたいと思います。

 スポーツから学んだトレーナーという仕事ですが、この仕事はスポーツだけでなく、様々な方の力になれるとも思います。

 その人が目指すもの、その人らしい生き方、そういったものをスポーツトレーナーの視点でサポートさせていただくことができると思います。

 どんなときでも「本当の意味で力になっているか」を大切にして、チーム(その人)の一員として、一緒にカラダと向き合っていき、カラダからその人の生き方をサポートする。まさしくトレーナーの仕事だと思います。

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カラダのメンテ

住所:長野県松本市蟻ケ崎4-9-5 MKビル2F東

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